【免震構造】

免震建物の点検の法的根拠はありますか

建築基準法第8条に、「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と規定されています。
免震建物は、免震層において殆どの地震力を低減させる構造となっており、免震層の重要性は高い。従って免震層を常時適法な状態に保つ必要があります。
免震建物は、大臣認定を受ける場合、平成12年建設省告示2009号により計算を行い確認申請を受ける場合の2通りがあります。いずれの場合も、維持管理計画が設計図書に記載されており、それを基に建設が許可されていることから、維持管理を行う事が義務付けられています。これは、例えば建物を建設する場合、設計図書に記載されている鉄筋本数を必ず配筋しなければならないことと同じです。

免震建物の点検を怠った場合に罰則はありますか

一般的に建築基準法に罰則は定められておりませんが、点検を怠ったことが原因で第三者に迷惑が生じた場合、様々な法律で処罰を受ける場合があります。これは、建物の点検を怠ったことで外壁のタイル等が落下し、通行人に怪我を生じさせた場合と同様です。

免震建物の点検に用いる基準はありますか

一般社団法人日本免震構造協会では、「免震建物の維持管理基準」を発行しております。この基準は、設計者が維持管理計画を策定するための参考とするもので、管理値は設計者が定めます。1995年より制定されており、最新版は協会ホームページで販売しております。基本的には設計図書記載の維持管理計画(建物設計時の基準)にて実施することとしますが、時代とともに維持管理の知見が増えていることから、最新版も参考にすることをお勧めします。

免震建物であれば地震保険の割引は受けられますか

免震建物であっても全て地震保険の割引が受けられるわけではありません。損害保険会社の規定によりますが、品確法に基づく登録住宅性能評価機関により作成される「建設住宅性能評価書」または「設計住宅性能評価書」が必要となります。指定性能評価機関における「性能評価書」や「大臣認定書」では、免震建物の地震保険の割引は認められないようです。