免震・制振ならできる
2050年のこんな建物,こんな街並み,こんな暮らし

作品名 受賞者(敬称略、※主申込者)
最優秀賞 もやし免震
   受賞作品 (1) (2)
濁川拓也※、丹羽俊介(大林組)
優秀賞 URBAN TREE HOUSE
受賞作品 (1) (2)
藤井俊二※、深尾 仁、福山牧男、清水友理、岡田直子(大成建設)
渡邊朗子(渡邊建築総合研究所)
優秀賞 GYRO
受賞作品 (1) (2)
貞弘雅晴※、大橋史和、森 洋一、南 尚孝、北村有希子(大林組)
成松匡章(三村設計
入選賞 都市免震構造
〜地盤による都市免震システムの構築〜
受賞作品 (1) (2)
徳山純一郎※、須藤敏己、冨澤 健、浅岡泰彦、松本研一(大林組)
入選賞 爆弾免震
受賞作品 (1)
熊谷由章※(大林組)
入選賞 Light×Growth×Tower
受賞作品 (1) (2)
小野森司※、髙澤昌義、立山香織、大森慎司、福田優子、勝又 洋、浅野剛史、前田有一(大成建設)
入選賞 FUTURE CITIES
受賞作品 (1) (2)
Ahmad NADERZADEH※(Imensazeh Company)
Aliakbar NASRABADI(Private Consultant)

総  評

審査委員長  川口健一

当協会の創立15周年を記念した「アイディアコンペ」であり、是非、夢のあるユニークなアイディアを評価すべしという態度で、審査員一同、審査にのぞんだのだが、期待に反して審査員の度肝を抜くような提案はほとんどなかった。全般的に、比較的そつのない案が多数であった。この点、先ごろ行われた小学生絵画コンクールに無邪気で新鮮な表現が多く見られたことと、好対照である。
 応募作品を並べて見て見ると、手馴れたCGワーク、環境問題や時流を意識したコンセプト設定、適度な専門的知識、といったレベルのそろったそれなりに厚みのある提案がそろっていた。審査が終わって分かった事だが、応募作品中、2/3がゼネコン設計部関係者であった。斬新なアイディアを期待していた学生等のエントリーは非常に少なかった。提出締め切りが修士論文や卒業設計の締め切りと近かったという時期的なこともあったようだ。
 審査は、まず、審査員の投票により十数点に絞り、残ったものについて意見交換を行った上で再投票を行い上位3作品の順位を決定した。受賞作品を見ればリベラルな決定プロセスが反映され、平均値の高い作品が選ばれた傾向がお分かりいただけると思う。入選賞の作品は、投票結果に加え、各審査委員の意見を尊重し、個性的なものを選ぶこととした。各界の審査委員の個性が反映されているといえるだろう。
 免震・制振という技術の成熟度が、町並みや暮らしといった漠然としたイメージテーマへと結びつくためのハードルを高くし、環境的なキーワードのみが目立つ結果になってしまったのかもしれない。既存のハードルに無縁な小学生の提案の方が伸び伸びしていた所以であろう。
 しかしながら、成熟しつつある技術分野だからこそ新しいブレークスルーを模索する努力を怠れない。本企画の真のねらいもそこにあったと思う。これに懲りずに、当協会が、荒削りでもよいから斬新なアイディアを奨励し求め続けて行ってくれる事を切に願うしだいである。最後に本企画を推進された立道コンペ部会委員長と同部会委員の方々に感謝したい。